「ひらがなを背の順に並べました」…意外な動画がネットで話題 一番背の高かった文字は…

川上 隆宏 川上 隆宏

「ひらがなを背の順に並べました」…そんな一瞬、意味のよく分からない動画がTwitterに投稿され、とても話題になっています。「あ」から順番に、1文字ずつ「背の高さ」として測って、順番に並べていくという内容ですが…身長計のリズミカルな動きや独特のテンポも相まって、なぜか見入ってしまいます。そもそもひらがなの文字の大きさなんて、これまでの人生で考えたことありましたか?…しかも文字ごとにこんなに差があっただなんて!驚きの声がネットで上がっています。

投稿したのは、ARAMA(@aramatypo)さん。10月15日に投稿され、20日午前までに11万件もの「いいね」がついています。

ちなみに、ひらがな50個を背の高さ順に並べた結果は…じゃじゃーん!下記の通りです。

「へついのこてぬにひとふはせめしほかんおみるよさけきたゆりえくねむもそあれやちろわすまをならう」

一番低かったのが「へ」。一番高かったのは…なんと「う」でした!。ちなみに「へ」を身長100センチ程度とすると…一番背の高い「う」は185.9センチに。うわっ、全然違いますね!…なお、平均身長は高くて、40文字以上が170センチを超えています。

これを見た人たちからは「何これwww」「よく思いつくなw」といった感想に合わせて、「えっ、あの文字はあの文字よりも背が低いの?」「うそ、あの文字はこの程度?」といったような感想が続々と。

「『ねれわ』『るろ』『さち』この辺の差が不思議」「『し』が一番背が高そうだったのに」「『や』が想像以上に強かった」「『へ』が来た瞬間に『へー』ってなった」…といったように、 自分の感じていた文字の大きさと結果とのギャップに驚きを感じているようです。

また、背の高さ順に並んだ文字を音読すると、なにか特別な意味もありそうで…「古文にありそう」「復活の呪文を思い出した」という人も。動画の独特なテンポに教育テレビ番組の「ピタゴラスイッチ」的な雰囲気を感じたとの指摘も多く、「文字がめちゃくちゃ可愛く思える」「自分と同じ身長の字に親近感が芽生えた」との思いを寄せる人もいました。

投稿したARAMAさんに聞きました。

―今回の作品をつくった経緯を教えてください。

「小学校など、クラスで並ぶ時は基本的に『出席番号順(50音順)』か『背の順』のどちらかでした。ひらがなは常に『出席番号順(50音順)』で並んでおり、背の順で並んだことなんてないのでは…と考え、身長を計測してみました」

―でも、すごい着眼点ですよね。よく思いつかれましたね…。

「『出席番号順に並んでください!』といわれて、それが実は『50音順』だったこと自体を意識することはあまりないのかな、とも思います。50音順=出席番号ということを意識していれば、それを背の順に並べ替えることは思いつきそうなことです。誰でも知っていることなのに、意識していないことを再認識してもらえればと思ってこのムービーを製作しました」

―実際に「背の順」にならべられて、背の低い文字と高い文字が分かりましたが、このような順番になることはもともとご存知だったのでしょうか。

「全く知りませんでした。「へ」が低いことは見た目で分かっていましたが「う」が高いことは意外でした。また、多くの方からリプライをいただいていますが、「わ・れ・ね」に差があることが驚きでした。「ほ」が高い気がしていましたが前から数えた方が早い結果でした」

―そうですよね…。私も画数が多い、「あ」とか「な」とか、頑張って書く字のほうが大きな字だと錯覚していたかもしれません。

「なお、今回の背の高さを調べたのは『游ゴシック体Bold』というフォントです。私がもっとも日常で使用するフォントを選びました。フォントの種類によって順番はだいぶ変わってくると思います。メジャーなフォントは今後も計測していきたいと思っています」

―あと、動画について「NHK・Eテレ」のようなクオリティだとの声が寄せられていますね。

「私は動画の制作が苦手で、複雑なものを製作できません。そのためシンプルな仕上がりになり、それが結果的にEテレ感につながったのだと思います。背の順を測る「身体測定らしさ」を出すために身長計にひらがなが1文字ずつ乗る形式をとりましたが、上下にスライドするバーの長さが本来ではあり得ないものになってます」

―いえ、そのおかげで動画が楽しく分かりやすくなっているのだと思いますよ…!

なお、ARAMAさんは札幌市立大学大学院デザイン研究科に在籍している大学院生です。

2017年の4月に「コトバーテル」という日本語を題材にしたゲームを製作。それをきっかけに日本語のデザインに関心を持ち、2018年の4月から大学の卒業研究で本格的に始めたといいます。現在は「学校の課題や修士研究、用事がない時間は全て制作に当てている」そうで、ARAMAさんのホームページには、これまで取り組んだ作品のリストがずらり…。

なお、「コトバーテル」は、限られた文字でコトバをつくりながら、味方がつくっているコトバを推理するチーム対抗戦のゲームです。電源を使用しないアナログゲームのイベント「ゲームマーケット2019秋」(11月23、24日・東京ビッグサイト)で、先行販売されるそう。関心のある方はぜひチェックです!

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ARAMAさんの作品集 https://aramatypo.myportfolio.com/

コトバーテルのサイト http://clagla.jp/lineup/kotobaateru/

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