1匹の子猫が変えた新婚夫婦の運命 保護猫のために一軒家を借り、会社も辞めた2人

山本 智行 山本 智行

 1匹の子猫が平凡な新婚カップルの運命を変えた。猫を愛する思いから一軒家を借り、シェルターにしてしまった2人。その始まりは、ちょうど6年前の10月だった。兵庫・伊丹市内を車で走っていた木村遼さん(34)、麻衣さん(35)夫婦は、道路脇に捨てられていた子猫を発見した。

 「危ない、と思って車を降りて子猫のところへ。最初は警戒していましたが、すぐになついてくれ、かわいいなと思って、家に連れて帰ったのが始まりでした」

 こう話す奥さんの麻衣さんはもともと動物好きで犬派。ご主人は飼いたくても飼えないまま育ったため、知識は全くなかったという。しかし、そこからは仏語で王様を意味するロワ(茶トラ)と名づけた牡猫の愛くるしさに心を奪われ“3人”での生活。ペットが泊まれるホテルをみつけて、ときには九州までドライブした。

 その後、飼い猫は牝のアンジュ、牡のクーと3匹に増えた。ここまでは、よくありそうな話だが、ここからどんどん発展していった。自宅の周りに集まった野良猫に餌をあげるようになり、それを近所の人に迷惑がられ、家の中に入れて飼うようになった。気がつけば11匹に。それが4年前のことだった。麻衣さんが言う。

 「保護した猫を引き取っているうちに、その後もどんどん増えていって、ほったらかしにできないし。これは里親に出さないといけないなと思い始めて」

 2018年の年明けに殺処分ゼロを目指し、ポータルサイト「にゃんこの里60家(ロワや)」を開設。その年の7月には手狭になったため、何と自宅から車で5分の宝塚市内にシェルターとして一軒家を借り、1、2階部分で飼い始めた。そして、今年5月にはとうとうNPO法人動物愛護・福祉協会「60家(ロワや)」を立ち上げた。

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