「死なせてはならない」必死に生き延びた子猫、元気いっぱいのわんぱく坊主に

渡辺 陽 渡辺 陽

 不妊手術を受けていなかった飼い猫が産んだ子猫。みんなひどい猫風邪をひいていた。譲渡先の星野さんが懸命に治療し、育てたら、猫風邪は完治。子猫は元気いっぱいになり、わんぱくっぷりを発揮した。

不妊手術をしていない飼い猫が出産

 東京都に住む星野さんの知り合いは、「家のガレージで飼い猫が8匹子猫を産んだので里親を探している」と言っていた。その話をご主人から聞いた時、星野さんは反対した。先住猫が血統書付きのマンチカンで、また猫を飼うならメインクーンかラグドールという猫種の子がいいと思っていたからだ。当時、保護猫がいることも知らなかったという。ご主人は、幼い頃から野良猫を拾って飼っていたので、「猫って、お金を出して買うものなの?」と不思議そうだった。

  ご主人は、知り合いの家に子猫を見に行った。その家では、飼い猫の不妊手術をしておらず、猫は家の外と中を自由に出入りしていた。そのため、発情期になると妊娠、出産を繰り返していたようだ。生まれた子猫たちは、家には上げず、ガレージで母猫に面倒をみさせていた。よほど具合が悪ければ動物病院に連れて行ったようだったが、外で勝手に作ってきた子なので面倒はみないという方針だったそうだ。子猫たちは健康状態があまり良くなく、猫風邪にかかって、目やにがひどかった。

  1匹の子猫がご主人のほうによちよち寄ってきたので、その子をもらうことにしたという。

 死なせてはならない

 2014年5月27日、ハチワレの子猫は星野家にやってきて、とろろくんと名付けられた。

 「とにかく汚れていて、猫風邪で片目はほぼ潰れ、鼻水で顔がガビガビでした。元気がなくてずっと寝ていました。小さくてやせていて、ごはんを食べるのもへたくそでした。そのわりには、段ボール箱をよじ登って、脱走しようとしたんですが。こんな小さな生きものを死なせてはならないと思いました」

  上下のまぶたが癒着していたので、「もしかしたら片目は開かないかもしれない」と獣医師に言われた。病院で強制給餌の方法や目薬の処方をしてもらい、2週間くらいで見違えるように回復した。しっかりごはんを食べるようになり、顔の汚れも取れ、潰れそうだった眼もぱっちり開いた。家の中を元気いっぱいに走り回っていたという。 

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