どう見ても刺身なのに…。気鋭の和菓子職人が作った斜め上行く「ようかん」が話題

広畑 千春 広畑 千春

 ピンと立った切り口、鮮やかな色、みずみずしいツヤ…。

 「刺身みたいだろ。羊羹なんだぜ、それ」

 そんな驚きの写真がツイッターに投稿され、話題を集めています。投稿したのはイラストレーターの前川さなえ(@puninpu)さん。アニメ「タッチ」の上杉達也の名台詞ばりに(お笑い芸人のスギちゃんのネタみたい、という人も)ツイートしたところ、「感動のクオリティ」「ネコちゃんも間違えそう」などリプライが相次ぎました。

 購入した和菓子店「夢菓子工房ことよ」は三重県四日市市に本店を持つ人気店です。三代目の岡本伸治さん(45)は高校卒業後すぐ和菓子の道に入り、28歳で店の暖簾を継ぐと、めきめきと頭角を現し、あの人気番組「テレビチャンピオン」にも4度出演。近ごろ復活した「―極」でも腕を振るった気鋭の職人です。お話を聞いてみました。

 ―なぜよりによって「刺身」を?

 「この商品はお盆だけの期間限定で、今年初めて出したんです。本物そっくりの和菓子は、10年ほど前にテレビチャンピオンで初めて作って以来、ちょこちょこ作っていて…。ひな祭りにかけた『ひな寿司』という盛り合わせや、土用の丑の日に合わせてかば焼きそっくりのまんじゅうとか。そんな中、今回は刺身単体でやってみようかと」

 ―確かにナマモノはナマモノですけど…。頭の中がこんがらがりそうなほどの出来栄えですが、どうやって作るんですか?

 「今回の刺身はマグロとタイで、どちらも練りようかんです。血合いの部分は数滴ずつ色を垂らして微妙なグラデーションを出し、最後に『糸切り』という技法で表面のスジ模様を付けながら薄く切ります。大根の『つま』は牛乳かんで表現し、『お醤油』は黒糖蜜に少しだけしょう油を加えて、魚の醤油差しに。パッケージと大葉や菊などの飾りも刺身らしくしました」

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