発達障害に潜む「体の問題」改善するゲーム開発…体をまっすぐ伸ばして「うんちミサイル」発射!

広畑 千春 広畑 千春

 君にお願いがある。地球を侵略しようとやってくるUFOを撃ち落としてほしい。降ってくる爆弾をよけながら、「うんちミサイル」を発射するのだ。ただし、このミサイルが打てるのは、スクリーンに映る君の体の軸がまっすぐになったときだけ。「まっすぐ」が続けば、連射もできるし、友達と協力すれば巨大化もできる。さあ、ゲームスタートだ!!!

 

 子どもの姿勢の悪さや体幹の弱さなどが指摘される中、ウェブカメラに映すだけで体の動きを分析して遊べる体感型ゲームソフトを、ある技術者と理学療法士が作り上げた。スクリーンなどに映し、とにかく楽しく遊ぶだけで、体の動きをイメージする力までも強化。発達障害やADHDなど「『落ち着かない』『目線のコントロールがうまくできない』という子どもには体の問題が隠れている場合も意外に多い」といい、幅広い応用に期待を込める。

 株式会社ILLUMINATE(神戸市東灘区)代表取締役の西村猛さんと、「Acculus(アキュラス)」(神奈川県鎌倉市)のCEOで、画像認識エンジニアの笹尾幸良さん。

 西村さんは、神戸市総合療育センターで長年、理学療法士として肢体不自由児のリハビリを担当。発達障害児の支援もする中で、コミュニケーションの難しさや言葉の遅れなどが顕在化するより先に、歩き方や転びやすさなど運動発達面での課題が現れる子が少なくないことに気が付いたという。

 さらに近年、「かかとを付けてしゃがめない」など基本的な運動能力が低下する「子どものロコモティブシンドローム」が問題化する中、「自分の持っている知識や技術を伝えたい」とホームページで発信するように。活動の幅を広げようと2017年に退職し、現在は子どもの発達相談や療育、学習支援などを行うほか、各地で講演も行っている。

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