学校の動物飼育現場が崩壊…うさぎが大変なことになっている

渡辺 陽 渡辺 陽

 保育園や幼稚園、小学校で、「命の大切さを学ぶために」動物を飼育しているところは多い。文部科学省も「豊かな人間性の育成に資する」としている。だが、どうだろう。実際の飼育現場では、とんでもない惨事が起きているのだ。15年間にわたり、大阪府でうさぎの保護活動を続けている一般社団法人リバティ代表の藤田敦子さんに話を聞いた。

 藤田さんによると、文部科学省は、小学校などの教育機関で動物飼育を推奨してはいるが、そのための予算は組まれていないという。少なくても大阪府下の、ある教育委員会に電話で確認したところ、飼育費や医療費は配分されていないという事実が確認できた。

 うさぎは牧草を主食にしているが、そうしたエサ代も誰かが自腹を切らねばならない。もっと深刻なのは、医療費である。うさぎとて、生き物なので病気をすることもある。ところが、動物の場合、人間のように皆保険制度などというものは存在しないので、自由診療なのである。民間の動物保険会社もあるにはあるが、保険料も高額で、学校の飼育動物は加入していないという。そのため、うさぎが怪我や病気をしていても見て見ぬふり。放置されているケースがあるのだ。骨盤骨折をしたまま小学校で放置されていたうさぎもいるという。このうさぎは、藤田さんが、半ば無理矢理引き取って治療したそうだ。

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