なぜ学校の予定は月初めに出るのか 共働き家庭を悩ませる学校の事情

広畑 千春 広畑 千春
 なぜ学校の予定は早く分からないのか(jaimax/stock.adobe.com)
 なぜ学校の予定は早く分からないのか(jaimax/stock.adobe.com)

 今年も多くの新1年生が誕生した4月。でも、会社員のレイコさん(仮名)は入学式の日に担任から配られたプリントに目を疑いました。翌週には学級懇談会や家庭訪問の予定(当然、平日の昼間)が。「こんな急に仕事を休めないし、夫は『無理』と即答。入学前でもホームページなどで伝えてほしい」と頭を抱えます。別の学校では10連休の初日に授業参観とPTA総会があり、保護者からは「旅行の計画をしていたらどうなったのか…」との戸惑いの声が上がったそうです。

 この問題、どうやら一部の自治体や学校だけでないようで、SNS上では毎年、年度初めになると働く母親らから「お便りもらって3日後に懇談会とかありえない」などの不満が続々。そもそも、学校では1カ月の予定は月初めか前月末に配られるプリントで初めて知らされることがほとんど。共働き家庭も増えるこのご時世、せめてパートなどのシフトを組む前月の中旬ぐらいまでに伝えることはできないの? 神戸市教育委員会の担当者に、学校側の事情を聞いてみました。

 -まず学校の予定の伝え方を教えてください。

 「学校によって違いはありますが、その月の月初めか前月末に毎月1回お便りを出してお知らせするのが定例です。ただ、運動会や修学旅行など主な行事で日程が分かっているものは、年度初めにまとめてお知らせしたり、1カ月の行事予定の備考欄に翌月分を記載したりしています」

 -共働き家庭も増え、特に保護者参加の行事は「早く教えて」という声もあります。

 「ごもっともです。ですが、校長以下、教員の異動やクラス替えもあり、前年度から調整していても実際に決まるのは新年度になってから、ということは多い。特に4、5月は事前にお伝えするのが非常に難しいんです。さらに今年は10連休で各校とも行事設定に苦労した面もあるかと。2、3学期であれば比較的予定が見通しやすいんですが…」

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