2回目の白内障手術は「できない」ではなく「必要ない」

ドクター備忘録

窪谷 日奈子 窪谷 日奈子
白内障手術の再手術は必要ないようです(zsv3207/stock.adobe.com)
白内障手術の再手術は必要ないようです(zsv3207/stock.adobe.com)

 白内障の手術を受けたのに、もう1度白内障になったという話を耳にしたことはありませんか?患者さんから「せっかく手術してもまた白内障になるって本当ですか」「白内障は2回目の手術はできないらしいですね」と聞かれることがよくあります。2回目におこる白内障についてお話させていただきます。

 白内障は目の中にあるレンズが年齢の変化で白く濁る病気で、どんな方にも必ずおこります。白内障手術では濁ったレンズを取り除き、代わりに透明な人工のレンズを入れてあげます。人工のレンズは経年劣化で変質したりすることはありませんが、レンズを入れている透明な袋は体の成分が付着して徐々に汚れてくることがあります。この袋の汚れが「2回目に起こる白内障(後発白内障)」と呼ばれているものです。

 後発白内障がおこると、白内障と似たような症状が出てきます。白くかすんでまぶしい見え方になってしまうので、「手術をしたのにまた白内障になってしまった」と思われる方が多いようですね。ですがこの後発白内障は最初の白内障と違い、手術室で手術をする必要はありません。外来でレーザーの光を当て、袋の汚れを飛ばすことができます。レーザーを当てる時は特に痛みはありませんし、時間も10分以内に終わり保険適応があります。見えにくくなってきたと感じたら我慢せず、ぜひ眼科で相談していただきたいところです。

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