忘れ物をしたら熱海まで小旅行?JR籠原駅の注意喚起が話題

黒川 裕生 黒川 裕生
忘れ物に注意するよう促すポスター=車輪さん(@syarin_p)提供
忘れ物に注意するよう促すポスター=車輪さん(@syarin_p)提供

 「スマホを電車に忘れて熱海まで…とならないように」。JR籠原駅(埼玉県熊谷市)に設置されている注意喚起のポスターが、「クソ遠い」「もう旅行」などとネット上で話題になっている。関西人の私にはピンとこないが、Google先生に調べてもらうと、籠原駅から熱海駅(静岡県熱海市)までは在来線で3時間、東京から新幹線を使っても2時間半、ちなみに徒歩だと30時間ほどかかるらしい。「降りる前の30秒の確認が、降りた後の数時間を救う」という“脅し文句”も、決して大袈裟な表現ではなさそうだ。

 ポスターには「もしお忘れ物をされると…(略)拾得された駅(熱海、国府津、沼津、上野など)まで取りに行っていただくお手間がかかります」と書かれ、さらに、赤く目立つ字で「※その際の運賃はお客様のご負担です」とある。籠原駅からはかなりの距離だが、その背景には、高崎線、宇都宮線、常磐線が東海道線に直接乗り入れる「上野東京ライン」が2015年に開業したことなども背景にあるようだ。

 JR東日本高崎支社によると、籠原駅は上野東京ラインや湘南新宿ラインの多くの列車の「終点の駅」で、年間22630件(1日平均62件)の忘れ物が届くという。そのせいで仕事に間に合わなかった人や、泣く泣く旅行を断念した人を目の当たりにして、胸を痛めたのが入社1年目の若い男性社員。「悲しい思いをする人を少しでも減らしたい」と今月13日昼、駅にポスターを貼り出した。

 インパクトのある文言は、ツイッターでたちまち話題に。「…平塚行きの列車に忘れ物をしたことがあります\(^o^)/」という一言を添えて写真を投稿した車輪さん(@syarin_p)は3~4年前、高崎駅(群馬県高崎市)から平塚駅(神奈川県平塚市)行きに乗ったところ、座席の下にお土産を置き忘れて降りてしまったという。籠原駅で駅員にそのことを届け出ると、1日もしないうちに連絡があり、見つかった平塚駅から着払いで自宅に送られてきたそうだ。

おすすめニュース

気になるキーワード

新着ニュース