最近話題の「どぼくカフェ」って何?講義でもセミナーでもない…気軽に専門知識を

 駅のホームから改札口へ向かおうとしたら、なにやら目につく構内の人だかり。気になって近づいてみると、「トンネル内の構造物の美しさ」について人々が楽しげに語り合っていた-。

 普段接することの少ない“土木”の世界に触れられる「どぼくカフェ」というイベントが定期的に開催されています。最近は巨大重機、ダムなどの巨大構造物、マンホールカード集めなど、土木にまつわる話を見かけることも増えましたが、一般人にとってはまだまだ未知の世界。そこで、カフェでくつろぐ気分で気楽に土木を知ることができるという「どぼくカフェ」に参加し、魅力の一端を感じてきました。

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 哲学カフェ、サイエンスカフェなど“○○カフェ”と銘打った対話型のイベントが各地で開催されています。講義やセミナーとは違う形で一般の人が専門的な知識に触れられる場で「どぼくカフェ」もそのひとつ。

 本来“土木”は鉄道や道路、上下水道といったインフラの根幹を支える重要なものですが、その性質上目立たないことが当たり前。そして話題になるのは事件や事故、不祥事といったネガティブな件がほとんどです。そんな土木について興味を持ち、気軽に接してもらえる場になればと土木学会関西支部がどぼくカフェを始めたのは2006年。参加者2名からのスタートでしたが、開催回数も30回を超え、今では毎回20~30名の一般人と土木専門家が参加するそうです。

 『カフェでお茶をするようにふらりと立ち寄れる場を』というコンセプトなので参加の事前申し込み不要。道行く人に「何をやっているんだろう」と興味を持ってもらい、足を止めてもらうのが狙いで、駅近くの喫茶店のテラス席や行楽客でにぎわう日曜のサービスエリアの休憩スペースなど、毎回あえて人通りのある場所で開催されています。

 筆者がお邪魔したときの会場は大阪モノレールの万博公園駅構内イベントスペース。近くの万博公園やショッピングモールへ向かう人たちが足を止める姿も見られました。土木構造物を独特の美しさでとらえる写真家・徳川弘樹さんが話題提供者として登壇し、トンネル写真の魅力をテーマに熱弁。日本だけでなく世界各地のトンネルを訪ね歩いた苦労話が披露されたり、土木の専門家ではない徳川さんがつぶやいたトンネルの構造についての疑問について、参加者の専門家がレクチャーする場面もあったりと終始和やかな雰囲気でした。

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