果物電池でスマホを充電するにはオレンジは何個必要なのか

京大・安部教授/科学よもやま話

安部 武志 安部 武志
果物電池でスマホを充電したら…(harunyigit stock.adobe.com)
果物電池でスマホを充電したら…(harunyigit stock.adobe.com)

 私がいわゆる携帯電話を持つようになったのは、いまから10年前くらいです。それまでは必要ないと思っていたのですが、いまでは、必需品となっています。さて、携帯電話といいますか、スマホを充電する時間をもっと短くしたいと思っている人は多いのではないでしょうか。スマホにもよりますが、充電時間は2時間以上のものが大半だと思います。

 スマホを長く使うことができるものは、充電時間も長くなります。さて、スマホに入っている電池は、リチウムイオン二次電池で、充電できる電池の中では最もエネルギーをためることができる電池です。もし、リチウムイオン二次電池がスマホの中に入っていないことを考えてみましょう。たとえば、果物を使った電池もできるのですが、その電池を使って、スマホを充電したら、どれくらい時間がかかるでしょう?この答えは“?”です。というのは、果物電池を百個使った場合、千個使った場合など、条件が様々ですので、答えがないのです。

 では、1個の果物電池を使ったらどうなるでしょう?これは充電できないが答えになります。果物電池1個では、豆球を光らせることができませんし、スマホを充電する前に、果物電池が使いものにならなくなってしまいます。実際に、オレンジ、メロン、桃などを使いまして、果物電池を自分で作って、なんとか豆球を光らせてやろうと思ったことがありますが、LEDは光っても、豆球は無理でした。

 では、何個果物電池を使ったらできるのだろうと疑問が生じます。このような何とも言えない実験をした動画が有名な某サイトで見ることができます。オレンジ、果物電池を英語にして、検索すると見つけることができます。この動画を見ますと、スマホを充電するために、約2400個のオレンジを使っています。マイナス極には亜鉛という金属を使って、プラス極には銅を使っています。オレンジはイオンを流すものとして使われています。

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