「自信をもってしゃべれるように」 小学生が考えた「吃音症改善マスク」が発明コンテストで受賞 自らの経験を重ね合わせ

京都新聞社 京都新聞社

 安土小6年伊藤温真さん(12)=滋賀県近江八幡市安土町=が考案した「吃音(きつおん)症改善マスク」が、「第6回 樫尾俊雄 発明アイディアコンテスト」で審査員特別賞を受賞した。自身も吃音があり「緊張することなく、自信をもってしゃべれるように」との思いから生まれたアイデアで、「吃音症の人のことをもっと知り、理解してもらえたら」と語る。

 コンテストは、樫尾俊雄記念財団(東京都)が毎年、小学生を対象に開催している。今回は「未来の世界であったらいいなと思うもの」「体の不自由な人に役立つもの」など四つのテーマでアイデアを募集し、全国から307作品が寄せられた。

 伊藤さんは、幼いころから言葉がつっかえたり、スムーズに声が出せなかったりして、人前で話す時に言葉が出なくなると、人にじっと見られて苦しい思いをしてきたという。夏休み中にコンテストを知り「発明アイディア」という言葉に引かれて挑戦した。

 吃音症は、最初の一音が出ると、次の言葉が出やすくなる。「吃音症改善マスク」は、マスクのひも部分が、脳から発したい言葉や口の動きを感知し、マスク内側にあるマイクが最初の一音を出す仕組み。例えば「おはよう」の「お」が出にくい場合、口の形を感知してマイクが「お」と発する。続きの「はよう」を自分の口で言うことで、スムーズに言葉をつなげられるという発想だ。

 伊藤さんは「自分のアイデアを評価してもらえたことがとてもうれしかった。人の役に立つアイデアを考えたり、人の役に立つものを作る仕事ができれば」と夢を描いている。

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