600kgで体重日本一に輝いたホッキョクグマは? 「ロッシーだ」「いや豪太だ」長年のトップ争い、ついに決着

茶良野 くま子 茶良野 くま子

「表彰状 ロッシー殿 あなたは日本の動物園で一番大きいホッキョクグマであることを飼育員が勝手に賞します」

静岡市立日本平動物園のオスのホッキョクグマ、ロッシー(2007年11月生)が体重600kgで国内最大だとして、飼育担当者が表彰状を贈りました。2番目と紹介された男鹿水族館GAOの豪太とは150kg差で断トツです。SNS上では「やっぱりロッシー大きかった!」「豪太が一番だとずっと思ってた…」などの反響が。担当飼育員の片野孝太郎さんに取材すると、長年のトップ争いが決着してスッキリした様子。誇らしげに答えてくれました。

—堂々の日本一!

「ホッキョクグマ担当者の会議が9月にあり、その事前アンケートでロッシーの体重は560kgでした。計測していないオスもいるので暫定ではありますが、これが日本一だと。ホッキョクグマのオスの大きさは“立派なオス”の証しなので、これは自慢しよう!ロッシーをもっともっと多くの人に見てもらいたい!と思いました。10月10日には603kgを記録しています」

—想定内?

「ロッシーが大きい、いや豪太の方が、とよくファンの間で論争になっていて、実は自分も豪太が一番大きいと思っていました。ロッシーはムキムキ、マッチョ系。プールで泳ぐのが大好きなので鍛えられて筋肉量が多くて重いのかもしれません」

—季節で変化は?

「何年も前から500kgは超えていました。季節的には今が一番重く、春先にかけて少なくなり、夏前が一番減ります。ひと月で100kg違うこともあります。積み荷計量用のものを使っていて1000kgまで計測可能です。海外ではもっと大きいオスがいると思いますし、ロッシーの父親も680kg近くあったと聞いています」

—エサの量は季節で変えているのですか?

「量も内容も同じです。ロッシーは野菜、肉か魚、合わせて10~15kg食べています。甘いものが好きで果汁多めのスイカやモモなど特に好きです」 

一方、「2番」と紹介された男鹿水族館GAOのオス、豪太(2003年11月生)。2012年1月の343kgを最後に設備面の都合で体重計測ができずにいましたが、ファンの間では国内最大級ともっぱらの評判でした。2022年にクラウドファンディングで寄付を募り、新たな体重計を設置。今年9月に久々に計測できた結果が、450kgだったのです。

ロッシーと約150kgの差は、意外? 飼育担当の田口清太朗さんは「豪太の体重はだいたい予想通りでしたが、ロッシーの体重は予想よりはるかに大きいと思いました。日本平の片野さんとは『ロッシーが国内最大ですね』という話をしました。新しい体重計は1500kgまで計測できます」。

国内のホッキョクグマは現在31頭で、オスは10頭。そのうち体重を計測している各施設によると、札幌市円山動物園のホクトは2022年11月=386kg▽上野動物園のイコロは2023年10月=331kg▽よこはま動物園ズーラシアのゴーゴは2021年12月=約400kg、2023年3月=319kg▽名古屋市東山動植物園のフブキは2023年3月=約300kg▽鹿児島市平川動物公園のライトは2023年3月=306kgでした。

ロッシーは生後半年でロシアの動物園から来園し、1歳ちょうどの頃に148kgでした。「優しい性格で、気は小さくて、大きい音にはビビる」とのこと。おもちゃで遊び、巨体を床に擦り付け転がったり、プールでターンしながら激しく泳ぐ姿も大人気。地元・清水港が冷凍マグロ水揚げ日本一であることから、「マグロの日」にちなんで先月、初めて大きなマグロをプレゼントされ、「日本一×日本一」を多くの人が楽しみました。

メスのバニラは出産を想定し、お籠り中。片野さんは「今年こそは、と思っています。皆さんにぜひ、日本一のロッシーと、バニラの赤ちゃんを見てもらいたいです」と期待を込めて話してくれました。

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