34歳女性「結婚して7年、夫はずっと専業主夫…私の収入だけで暮らしています」将来が漠然と不安です【FPがアドバイス】

福永 涼子 福永 涼子

ひと昔前までは、男性が一家の大黒柱として主たる収入を得て、女性は家で家事や育児を担うというライフスタイルが一般的な世の中でしたが、現在は女性の社会進出とともに共働きの家庭が増え、複数の柱で家庭を支えるという世帯が主流になってきました。

また、女性が一家の大黒柱という家庭もさほど珍しくなくなってきたと感じます。しかし、そういったケースにおいては、ただ男女が入れ替わっただけの話ではなく、気をつけておきたい点もあります。例えば、妻に万一のことがあっても、夫が公的な保障にはほぼ頼れないケースがあるためです。最近いただいた相談事例をご紹介しましょう。

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◆相談者プロフィール

34歳女性、会社員(システムエンジニア)
・夫:34歳(専業主夫・無職)
・年収:580万円
・預貯金:800万円
・運用:企業型DC(マッチング拠出)1.5万円/月
・保障:医療保険(夫妻)と生命保険(妻のみ・死亡保障300万円の終身保険)
・月々の家計支出:18万円

◆相談内容

現在、夫婦2人での生活を送っています。私の収入のみで生計を立てており、夫は専業主夫で仕事はしておらず、家事全般と猫2匹の世話をしており、結婚当初からこのスタイルです。今のところ大きくお金に困ることもなく普通に生活ができているので、夫自身は働いて稼ぐ必要もないと感じているようです。

夫は、家事や家計管理は本当にしっかりしてくれています。例えば食費は毎月2万円以内でやりくりしたり、私の毎月のお給料のうち8万円程度は貯金になっているので、貯蓄は思いのほか順調に増えています。

ただ今後もこのままのスタイルでやっていけるのか、不安になることもあります。もし自分が病気になったり親の介護が理由で、今と同じように働けなくなっても大丈夫か? また、子どもはあまり考えていませんが、授かったとしたら育てるためのお金はどれくらい必要なのか?…などなど。

最近よく聞くNISAを利用して投資運用した方がお金をもっと増やせるのではないかとも感じています。今、何かできることがあればやっておきたいです。

今後はお金を「貯める」→「増やす」に

これまで、相談者さんのみの収入で生計を立てながら、預貯金もしっかり貯めてこられているのは優秀です。おそらく夫婦共に無駄遣いもあまりなく、一定の節約を意識しながら家計管理をしてきたご主人の努力も感じられます。

ただ、今の時代は預貯金にだけ貯めても、ほぼ増えることはありません。例えば、相談者さんの今の預貯金800万円を銀行に1年預けても、利息は100円を割るくらいなのが一般的です。

減ることがなく少額でも増えてくれるなら良いと思われるかもしれませんが、世の中の物価はこれまでも徐々に上がってきましたし、今後も将来に向けて上がっていくことは避けられないでしょう。

考えてみてください。今、1000円で食べられるランチが10年後も1000円のままでしょうか?おそらく数百円は高くなっているでしょう。そこで、仮に800万円を10年間銀行に預けたとして利息で1000円程度増えても、その程度の増え方ではとても物価上昇の波には追いつけそうにありません。

要は、1000円のモノが1000円で買えなくなるというのは、お金の額面は変わらなくとも、その価値は確実に目減っていくということなのです。

今後は、預貯金をさらに増強させることだけでなく、投資運用を取り入れて上手に増やしていくことも実践していってください。

また、直近2~3年の間に大きくお金を使うイベントなどがない場合は、生活費の半年~1年分を緊急資金として預貯金で確保しておくことを目安とし、それ以外のお金は預貯金として置いておくのではなく投資運用にあてて、お金に働いてもらい増やしていく考え方もポイントになります。

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