ノーマスク強行の動きに大阪城公園が困惑と警戒 「全国同時ノーマスクピクニックデー」中止の発表も

杉田 康人 杉田 康人

5月1、2日の両日、全国の公園などでマスクを着けずにピクニックを楽しもうと呼びかけた「全国同時ノーマスクピクニックデー」が4月中旬、ツイッターを中心にしたSNSで拡散。コロナ禍での迷惑行為として大炎上した。発起人は中止を発表したが、一部に強行する動きがあり会場となった公園は困惑。実施日は警戒を強めるとした。

新型コロナウイルスの第4波到来で、大阪が医療崩壊の危機とされ国内がピリピリする中でのマスクなし集会予告。非難を呼び、開催を告知していたウェブサイトは20日、一転して全面中止を告知した。

ウェブサイトで、呼びかけ人とされる人物は「個人的な誹謗中傷なども多く見られたため、参加者の身の安全を考慮した結果、今回の企画においては全面中止とさせていただきます」と中止理由を説明した。

一方で「コロナ騒動に疑問を持たず、過剰な感染症対策を受け入れることは、子ども達の成長に大きな悪影響を及ぼすと考え、今回のイベント発起にいたりました」「子ども達の笑顔・未来のために、これからも私たちは信念を持って、歩み続けます」として“マスクなし”に強い思いをのぞかせている。

発起人の中止発表で、ゴールデンウイークの混乱は回避された…に見えたが、呼びかけに賛同する人が当初告知されていた日時・場所に集まり、予定通りノーマスクピクニックを開催し、参加しようという動きがある。前日となった4月30日までに、SNS上で「ネオ・全国同時ノーマスクピクニック」「参加します」などと表明する投稿があった。

“大阪会場”となった大阪市の大阪城公園内を管理するパークセンターの担当者は、SNSなどで不穏な動きをすでに把握。集合場所となったエリアを「警戒はします。予測と、気をつけておこうということです」と話し、職員の見回りのほか大阪府警にも相談するとした。

マスクをしない集団が、実際に大阪城公園に現れたらどうするのか?担当者は、検問などは実質不可能として「マスクの着用をお声がけいたします。集団で集まって、マスクをしないのは危険。現在、園内でシートを敷くことはお止めしています」と話し、マスク着用とレジャーシートを敷いての飲食自粛をお願いするという。

大阪城公園がノーマスクピクニックの場所に指定されたことに、担当者は「ひと言あってもいいですよね…」と困惑を隠せない。「大阪城公園内は、占有できないことになっているんです。ホームページでイベントを呼びかけるなら、どれくらいの規模で、人数がどれくらいとか問い合わせの上、所定の手続きをしてほしい」と強調する。

「きちんと問い合わせがあって、お手続きをしていただけたら、その上で『マスクをして下さい』と対応します」(担当者)と、ノーマスク集会には断固NOの姿勢を崩さない。「2021年は、2019年の笑顔を取り戻そう」と銘打たれた初夏のピクニック大会。コロナ禍以前の笑顔を取り戻す…はずだったが、ちょっと笑えない騒動に発展している。

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