なぜ今?昭和世代直撃のレトロ自販機プラモデル登場 老舗メーカーが放つ“実機”さながらの再現度に郷愁が燃え上がる

黒川 裕生 黒川 裕生

プラモデルメーカーの「ハセガワ」(静岡県焼津市)が4月末に発売予定の「レトロ自販機」が、ノスタルジックな“昭和感”を見事に再現したデザインで多くの人の郷愁を刺激しています。Twitterでも「これは欲しい」「俺以外に誰が買うんだ?」「ハセガワさん、ヤベー(誉めてる)」などと大きな注目を集めていますが、そもそも実在の船や飛行機、自動車といった乗り物のプラモデルで知られる創業80年の老舗メーカーは、何故このような商品を企画したのでしょうか。

プラモデル化された「レトロ自販機」は、まだコンビニや道の駅が少ない時代のドライブインなどでよく見られたハンバーガーの自販機です。いつでも熱々のハンバーガーが食べられるマシンとして重宝されましたが、今では同種のうどん自販機などと同様、ほとんど絶滅寸前とみられています。

メインパネルには、コック姿の猫さんがハンバーガーを持つどこかで見た気がする雰囲気のイラストをデザイン。ハンバーガーとチーズバーガーの商品ボタン(いずれも280円という文字が見えます)はもちろん、下部には可動式の取り出し口もちゃんと付いた、“実機”さながらの細かい作りです。また付属品として、この自販機サイズに合わせたハンバーガーの箱も!好きな人にはたまらないアイテムとなっています。

実はこれ、「1:12スケール フィギュア用アクセサリー」という人気シリーズの最新作。可動式フィギュアの人気が高まっていた2011年11月、「プラモデルメーカーとしてできることはないか」と考えたハセガワが、学園アニメのフィギュアなどと組み合わせて遊べるように、と企画して売り出したのが「学校の机と椅子」でした。

ユーザーの潜在的なニーズを的確にすくい上げたこの商品は大ヒット。1クラス分そろえようと、複数購入する人も少なくなかったそうです。ハセガワはその後、不定期で「部室の机と椅子」や「オフィスの机と椅子」「理科室の机と椅子」「学校の跳び箱」などをフィギュア用アクセサリーとして発売。今回の「レトロ自販機」は、2017年の「公園のベンチとゴミ箱」以来、実に4年ぶりの新作となります。

「このシリーズは正直、ネタ次第、アイデア次第というところがあります」と担当者。身の回りに当たり前のようにあるので気づきにくく、それでいてプラモデル化されると「おお!」となる“何か”を思いつくかどうかにかかっているのです。レトロ自販機はここ数年、それこそうどんの自販機などが世間で話題になる機会が多く、ニーズがあると判断。2月末にTwitterなどで発表したところ、「昔お世話になった」という人たちを中心に大反響を巻き起こしました。「うどん自販機もぜひ」「レトロ自販機、シリーズ化もありかも…」というリプライも相次ぎましたが、担当者は「皆さまの声はちゃんと届いています」と何やら含みのある一言を。これは期待してもいいのか? そうなのか? 私にはわかりませんが、ハセガワからの今後の情報に注目です。

レトロ自販機(ハンバーガー)のパーツカラーはクリーム、グレー、クリアーで塗装は不要。接着剤も必要ない、初心者に優しい仕様です。サイズは模型全高150×全幅72.5×奥行き75.5mm。1300円(税別)で4月30日頃発売予定。

【ハセガワ公式サイト】 http://www.hasegawa-model.co.jp/

【ハセガワ公式Twitter】 @hasegawa_model

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