黒板に描かれた「試験の時間割」が話題 驚きの完成度…貴重な時間を削って描いていた元高校生に聞いた

川上 隆宏 川上 隆宏

とある高校の黒板に描かれていた「定期テストの時間割」がカッコよすぎるとTwitterで話題になっています。白いチョークで試験の科目や時間が描かれているのですが、その文字やデザインの完成度の高さといったら…! 大嫌いな定期テストだったけど、こんなワクワクするような時間割が毎回描かれていたら、がぜんやる気も出そうですよね。ただ、試験期間中の貴重な時間を削ってまで描いていたのはどんな人なのか、すこし気になりますけど…。

投稿したのは東京都内の大学1年生で、グラフィックスやロゴを趣味として制作している「ふーじぇん - HèJiàn」(@HeJian744)さん(18)です。「そういえば高校の頃、毎回試験の時間割を黒板に書かせてもらってたな、、」とのコメントとともに7月18日にアップしたところ、22万近い「いいね」が寄せられています。

東京近郊の高校に通われていたというふーじぇんさん。1年生のころから定期試験のたび、黒板に試験の時間割を描いていたそうで、3年生だったときに描いた時間割の写真をいくつかアップしました。

1学期中間考査、期末考査、2学期中間考査など画像がアップされていますが、SF映画に出てくる文字みたいだったり、特色ある丸文字だったり…。「高校最後の定期考査」の画像に至っては、明朝体をベースにした飾り文字で、とてもスタイリッシュなデザインです!

画像を見た人たちからは「なにこれかっこいいww」「(こんな文字を)フリーハンドで黒板に、ってめちゃくちゃ凄いですね!」「スーパーグレイトフルハイスペックビューリフォー」といったような声が続々と。「これ俺のクラスに書いてくれてたら、テストの楽しみになってたのに…笑」「明日テストなんで、うちの学校にも書きに来てもらいたい」といった書き込みもありました。

一方、「高校時代から、タイポグラフィに目覚めるとは渋いですね」「学生の頃に見てたら絶対真似したなぁ」といった“大人”たちからのコメントも。「ゲーム業界人から言うとこういった特徴のあるフォントを自分で書くことができるのはとても素晴らしいこと」という指摘もありました。

   ◇   ◇

投稿したふーじぇんさんに聞きました。

―とてもカッコいい時間割ですが…なぜふーじぇんさんが描いていたのですか?

「係や担当というものはなく、希望すれば誰でも自由に描かせてもらえたと思います。私の場合は毎回希望していたので徐々に任されて仕事化していました。試験期間中に時間を使ってまで黒板で遊ぼうとする物好きはいなかったようで、ほかに描いている生徒はいませんでした」

―なるほど…。でも、確かに「時間」かかってそうですよね…。

「通常、テストが終わった後に翌日分を書いていたのですが、文字は毎回その場でオリジナルなものを考えていたので、仕上げまでに1時間以上かかることもありました」

―ええっ、毎回オリジナルの文字だったんですね! 学校最後の試験の文字なんて、ちょっと気合の入り方が違いますよねー。

「試験の時間割として『なるべく見にくい文字にはしないこと』『遠くからでも見えること』という基本的な点に留意しつつ、過去のデザインとかぶらないことという点を最も意識しながら考えていました。最後の試験は、確かにかなり気合を入れて描きました。黒板全体に下書きをして、それから清書をしたので…3時間半という長時間に及びました」

―Twitterには描く時間を「試験勉強にあてたほうが…」と心配する声もありましたが…。

「まさしくその通りだと思います(笑)。周りが試験勉強をしている中で自分だけ黒板を描いているという状況には、毎回少なからず焦りを覚えていました。ただ、私は追い込まれないと集中できないタイプだったので、自分を焦らせるために描いていたという側面もありました。実際にそれで結果は残してきたので、このスタイルもあながち間違いではなかったかなと思います」

―クラスのみなさんはどんな反応でしたか。

「友達は、面白いと言ってくれる人がほとんどで、毎回励まされていました。コメントしてくれる試験監督の先生もいらっしゃって、とても嬉しかったのを覚えています。レタリングの腕前を買われて、電子音楽(Desk Top Music)の作曲を手掛ける友達が制作・発表したCDアルバムの、ロゴ制作を担当させてもらったこともありました」

―それはうれしいですね!…ちなみに過去の思い出を最近投稿されたきっかけはありますか?

「投稿はちょうど大学のテスト期間でした。コロナの影響でなるべく外出しないように努めなければならないということもあり、気分転換が満足にできず、思いのほか勉強がはかどっていませんでした。高校のころはどうやって気分転換をしていたかなと思索を巡らせていたところ、『黒板を描くこと』が気分転換だったということを思い出して、その写真を見返していたら急に懐かしくなって、思わず投稿しました」

―大学の試験でも時間割を描かれていたりしたら素敵だな、と思ったりしましたが…。今の状況では難しいのかもしれませんね。

「実はコロナの影響で大学にはまだ一度も通ったことがなく、時間割を描ける環境があるかということすら、いまだに把握できていない状況です。しかしもし機会があれば、ぜひまた時間割を書きたいと考えています」

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